狩猟ナイフと解体ナイフと包丁を紹介しようとしたら剣鉈が死んでいた
狩猟や魚突きで必ず必要になるのがナイフだ。狩猟では護身用ナイフ、止め刺し用ナイフ、解体用ナイフを使い、魚付きでは護身用ナイフ、出刃包丁、柳刃包丁を使っている。狩猟用の護身ナイフは大型の剣鉈を使っているのだが、猟期が終わり放置していたら錆びだらけになっていた。
狩猟ナイフと解体ナイフと包丁
ナイフや包丁はアウトドアをしていれば不可欠な道具だ。僕は忍者とか侍とかが好きな男子なので刃物には目がない。刃物を研いで思い通りに仕上がるとふふふと思わず笑みがこぼれてしまう。所持している本数から変なやつかと思われるかもしれないが、料理人である父から譲り受けたものが殆どなので怪しまないで欲しい。
狩猟ナイフ
狩猟で使っているのは左7本、剣鉈・止め刺し・のこぎり・皮はぎナイフ・マキリ・スキ包丁だ。皮はぎナイフが2本あるのは脂で切れなくなったり、嫁が手伝ってくれる時用だ。
剣鉈
山に入る時に携帯するナイフだ。ナイフと言うよりはその名の通り剣のような鉈である。護身用として持っているが剣鉈では猪や熊と言った野生の獣と戦う事は出来ない。なのでこれは心の支えである。実用としては道を塞ぐ倒木や草木をを切ったりするなど、進行を妨げるものを排除する時に活躍する。
止め刺し
止め刺しは猟師によって様々だ。僕は家に転がっていた古い裁断はさみを解体し研いで使っている。100㎏級の雄を捕まえた時も心臓まで届いたし、今の所問題なく使っている。はさみなのでもう一本あり、壊れた時の替えもあるのが嬉しい。そして何より厚みがあるので猪の筋肉や骨でも刃こぼれや折れる事はない。
マキリ
地元の鍛冶屋で買ったマキリだ。結構気に入っていて主に解体した肉を枝肉にする時に使っている。最初はマキリで止め刺しをしようとしたが、マキリは突く為の物ではないのでそのままでは刺さらない。猪の喉元から心臓に目掛けて押し込むとマキリはふよんと跳ね返される。
皮はぎナイフ
このナイフは結構手入れが大事。最も脂まみれになる包丁なので、終わったら必ず研いでピカピカにしている。
スキ包丁
猪の肉を骨から外す時に使う包丁だ。これで皮を剥ぐ猟師もいるが、僕は2つを分けて使っている。
魚突きナイフ
海の中に持っていく刃物はこれ1つだけ、魚と戦う為の物ではなく潜った時に釣り糸や網などに絡まってしまった時のエスケープ用だ。小さくて直ぐに出せるのが必須で、鋸状の歯がついていれば尚良しだ。僕は腕時計のベルトに着けて、いつでも取り出せるようにしている。
魚を捌く包丁たち
出刃包丁・牛刀・柳刃包丁だ。出刃包丁は主に3本目のを使っている。出刃は叩いたりする事が多いので良く欠ける事がある。そういう時の為に予備を何本か持っておいた方が良いと思う。牛刀は万能だがメインは冷凍猪肉だ。家にはスライサーがあるが、ちょっと切るだけなら牛刀で済ましてしまっている。柳刃包丁は4本あるが、殆ど長いのを使っている。短いのは長いのが来るまで使っていたものだ。柳刃包丁は絶対長い方が使い易い。これから買おうと考えているのなら、長い方をお勧めする。
本題、錆びた剣鉈を綺麗にする。
酷い有様だ。ケースに入れて置いたけど雨に濡れてそのままだったせいだ。これくらい錆びつくと凹凸は簡単には消せません。かなり粗い研磨で一旦平らにしなけれならないのだが、僕はそんな機械を持っていないのでとりあえず錆びだけは綺麗に落とそうと思う。また、剣鉈の用途上包丁の様に切れるようにする必要はなく、剣鉈の使用方法はは叩き割るなどが多く、切れ味を追求すると脆くなり簡単に歯が欠けてしまう。
240番で錆びを落とす
耐水ペーパーの240番。これでひたすら錆びを落とします。
自作の研ぎ台。転がっている木とビスで作ったので0円だった。あると結構便利。
錆びは簡単に落ちるが腐食してへこんでしまった為でこぼこが目に付く。これを直すには凹んだ所に合わせるまで全体を削る必要があるのだが、面倒くさいので僕はやらない。
30分ほどで完了
錆びを落とすだけならあっという間だ。刃先が少し欠けていたのと全体を軽く研いだだけで終わり。剣鉈はこれくらいで丁度良い。
これで次の猟期にはいっても直ぐに使える。ところで最近は剣鉈を見なくなった気がする。以前はホームセンターでも良く見かけたが、いつからか鉈はあるけど剣鉈は無い事に気づいた。ネットで剣鉈を買おうとすると結構なお値段だ。剣鉈の最高峰ともいえるフクロナガサなんかは7万円位するのもある。
僕の剣鉈は1万円
ちなみにこの剣鉈は1万円だ。問題なく使っているしケースも丈夫で壊れない。以前はアマゾンでも売っていた気がするが、これもいつの間にか無くなっていた。剣鉈はくくり罠をやるならあっても良いと思うが、山の中に踏み入らないのなら別に必要ないと思う。ナイフにしては重いし危険でもあるからだ。
剣鉈持ってても逃げますよ、絶対に闘いません
野生の猪と対峙した事ある人ならわかると思うが、剣鉈1本腰にぶら下げただけで猪と闘えるかと言ったら100%無理だ。間違いなく逃げるしかない。罠にかかっていてもくっそ怖いのに、自由に動き回れる状態の猪と剣鉈で戦うなんて無理ゲー過ぎる。
持っていくなら落ちない事が超大事
剣鉈を持っていくのなら一番注意しなければならないのは自滅だと思う。腰やハーネスに装備するのは良いが、なんかの拍子で剣鉈が抜け落ちると本当に危険だ。僕は狩猟中雪庇を踏んで滑落したことがあり、山肌を転げ落ちて酷いけがを負った事がある。その時最初に思ったのは剣鉈が自分に刺さってないかだった。
きしむ体と揺れる脳の中全身を触って状況を確認している時、剣鉈が痛みのどこかに刺さっているのではないかと心配したのを覚えている。雪の上にかなりの血をぶっ放していたので不安だったが、剣鉈は鞘に収まっていて鼻血が出ているだけだった。
野生の生き物には十分注意が必要だが、腰にぶら下げた一物にも十分注意が必要だ。