【能登で魚突き】能登で魚突きしていたら4mのサメが現れはたかれた

奥能登でも小さなサメなら定置網にかかっているのを見た事あるが、4m級のサメがかかった話は奥能登では聞いたことがない。魚突きをしていればサメとの遭遇は避けて通れぬ道。だがサメの姿が見えているのと見えていないのでは状況が全く変わってくることを経験した。

能登(珠洲市)の近海には4mのサメが存在する

2019年7月10日時点でいます。はい、私本日見ましたので。さらに身を翻す時に尾びれで右腕はたかれましたよ。「どんっ」と。

日本海の能登(珠洲市)に生息するサメの種類は?

残念ながら今日見たサメの種類は分からなかった。でもホホジロザメではないと思う。 ホホジロザメ 独特の表情ではなく、割とシャープで端正な顔立ちだった気がするからだ。

サメで端正って何だ?って感じだけど、サメだからって訳ではなくやはりあれぐらいの個体になると畏怖の念がこみ上げてくるので神々しくも感じてしまう。

七尾沖ではホホジロザメが定置にかかっている

この映像は2017年に七尾湾で定置網にかかった体調4mのホホジロザメ。ここまでぶっとくなかったと思うが、体長はやはり3.5m~4m程あったと思う。

能登(珠洲市)の海にサメが現れた瞬間

完全に死角から一直線に向かって来て、偶然顔を横に向けたら目が合う前に体を勢いよく翻してアッと言う間に姿が見えなった。

かろうじて左側のエラから尾びれまでが見えたがあまりにも近かったので尾びれが僕の右腕にぶつかった。

今日の能登の海はオンショア、嫌な予感がしていた

後からは何とでも言えるのだが、実は海に入った瞬間から嫌な感じがした。

ここ最近日本海には東の風が入りポイント一体はかなり濁っていたのだ。

濁りのせいで周りが見えないからだと思うが、誰かに見られている気がして仕方がなかった。

そんな中海底に轟音が2回鳴り響いた。

海底に轟く音の正体を探していた

フィッシュトルネードが襲撃にあうと一斉に魚が向きを変えるので海底に轟音が鳴り響く、または超大型の個体が思いっきり力を入れて泳ぐ時も海底に轟音が鳴り響く。これまでの経験で海底でゴウっ!という音が聞こえたらこの2つのどちらかの現象が起きている。

超大物の個体は主にマンタやカメだが能登の海にはどちらもいない。
この日は2回この轟音が聞こえていたのだ。

轟音の正体を探しながら潜ったから助かったのか

着底し直ぐに良型のイシダイを見つけたので銛を引いて寄せていた。この時も超大物がいないか顔を動かさずに目だけを動かして探していた。意識が逸れていたので一瞬イシダイを見失ってしまい何処にいった?と顔を右側に向けるとサメはもう1mの所にいた。

陸まで500mいつもより遠く感じた

僕が振り向いた事で一旦は引き下がったサメだが、サメってやつはかなりしつこい。濁りの中に溶け込み僕の様子を伺っているのは確実だ。

銛は1本だと長くて取り回し難い、分割して両手で持ち一瞬陸を見た。

陸まで約500m、物凄く遠く感じた。

全体に注意を払いながら全力で泳ぐ

こんなに透明度の悪い海では周りで様子を伺っている事もわからない。向こうには心音や臭いで僕の位置はバレているので、全体に注意を払いながら全力で泳ぐことにした。

視界が悪く銛を使って遠ざける事は難しい、 噛まれたら目かエラを攻撃すると決め、もし噛まれても腹回りの内臓だけは持っていかれないようボクサーの様に両腕を曲げてガードしながら泳いだ。

「チクショーふざけんな! 食われてたまるか!家には犬も嫁も子供もいるんだ、絶対に帰るぞ!」

「あらららららーーーーーい!!」

手足どれか1本は噛まれる覚悟で何とか泳ぎ切って見せると腹をくくった。 周囲を何度も何度も確認 しながら全力でフィンを動かした。

サメの追撃はなく無事陸に着いた

陸が近づくにつれ濁りが酷くなってくる。もう上下左右2mくらいしか見えなかった。行きもこの濁りの中を泳いだのに、サメを見た後ではこの濁りが怖くて仕方がなかった。

たった500mの距離が遠く、見えない恐怖が呼吸をかなり早めていた。ただの水面移動なのに時々スノーケルから水が入ってきてむせてしまった。

やがて急激に水深が浅くなり海底の砂がはっきりと見え、なんとか無事陸に着くことが出来た。

こんなサメには会った事が無かった

僕はこれまで50匹以上はサメと遭遇している。 スクーバダイビングで何度も見ているし、 サメの巣にサメを見に行くこともあった。突いた魚をサメに持っていかれる事も結構経験している。

そんな訳だから近づくサメを銛先でつついて撃退した事もある。

だが今日のサメは全く違った。

僕の知っているサメはいきなり一直線に向かってくることはない。必ずゆっくりと円を描きながらこちらの様子を伺い、近づいたり離れたりを繰り返す。

そして体の側面を見せるように泳ぎ、じわじわと近づきようやくゆっくりとこちらに向かってくる。

濁っていたから様子を伺うサメが見えなかったのか?そうかもしれないが、濁りが酷いだけにかなり周囲に気を配っていたし、目を凝らして魚を探していた。

明らかに僕にちょっかいを出すつもりだったように思える。異端なサメの行動と今日の濁りが重なり、最悪な1日となったのだった。

でもイシダイ47㎝は突いてきた(笑)

という大変な状況ではありましたが、イシダイは突いてきました。
もしかしたらこれ狙ってたのかもしれない。

皆さんもサメには気をつけて下さい。万が一遭遇しても姿さえ確認できればそうそう襲われるものでもないと思っています。

でも魚突きはやっぱりこういった危険を伴うスポーツですので、出来るだけ1人で潜るのはやめた方が良いと思いました。