飼う前に知っておきたいシェパードの散歩の注意点❘オスとメス、力や性格の違い運動量やマル秘散歩法?
この記事はジャーマンシェパードドッグに興味があり、今後シェパードを迎えい入れようと検討している人に向けた記事です。
シェパードと一緒に暮らす上で検討しなければならないことは3つ。
- 訓練に出せるか
- 十分な散歩環境が身近にあるか
- 十分な散歩に行ける人物がいるか
これからシェパードを迎え入れようと思っている人へ
大事なのは上記の3つだけだ。
1つ目の訓練環境は預けてしまうのであまり関係はない。多少遠くても3~6ヵ月預け、飼い主は定期的に訓練に参加するだけなので何とかなる。
だが2つ目と3つ目は完全に飼い主に依存した問題だ。逆に言えば犬が好きで2番目と3番目をクリアしているなら全く問題はないと断言できる。
僕はシェパードに限らず犬にとって最も重要なのは散歩だと思っている。
自分で犬を育てるようになってからは都会やアパートで生活したことはなく、常に田舎で一軒家に住んできた。
犬の散歩のために家を選び、車を選んできた。
これからシェパードを飼おうと思っている人は、先ず最初にシェパードを毎日十分に散歩ができる環境が身近にあるか考えて見てほしい。
シェパードの運動量と効率的な散歩法
ネットで調べれば1日60分とか、1日に2回などというのが見つかる。
しかし大事なのは時間や回数ではなく運動量だ。
シェパードは性別問わず5~6歳までは底なしの運動量を保ち、6~7歳くらいになると持久力は落ちても瞬発力は衰えない。若い頃と変わらず全力で遊び、休憩時間を長めにとる。
これから書くのは全盛期であった5~6歳頃まで、僕が実際に行っていた散歩の内容だ。これくらいできて初めてシェパードはくたくたになる。
持久力
当時僕はフルマラソンに熱中していたこともあり朝のマラソンを日課にしていた。毎朝10キロアスファルト道路を走るのだが、えばしは息が弾む程度でついてきた。ウォーミングアップとはいえ10キロを40分台で走っていたのだから人間にしてみればそこそこ早い。
徒歩で60分ならせいぜい4キロくらいだと思う。ましてや街中であれば3キロ程度かもしれない。
そして何より距離や時間ではなく、緩急のない運動ではシェパードの体力を削ることは出来ない。故にシェパードは長距離を走っても満足しないのだ。
ハーフを走ったら不機嫌になった
とはいえ当初10キロランニングに着いてくることができない時期があった。初めて10キロランニングに連れてったとき、3つの点からえばしにとって10キロランニングが困難に思えた。
- 爪の形
- 筋力
- 臭い
爪の形
まず初めにアスファルトを長時間走ると爪が大幅に削れる。
どんなに形成していても実際に走ると不必要な部分が出てくるため、その部分は自然と削られてくるので心配はないのだが、最初えばしには不快なように感じた。まぁ、仕方のないことなので我慢してもらうしかないのだが、ある程度は切っておいてあげないとけがにつながる可能性があるので注意が必要だ。
筋力不足
これは3日目に解消されたのでたった2日だけだったが、最初の1日目は足がガクガクして子犬にかえったようでかわいかった。
2日目は犬にも筋肉痛があるのかしんどそうだったが、3日目には僕を追い抜くようになった。
臭い
シェパードに限らず犬にとって臭いと言うのは情報収集のための大事な日課だ。
時間と目的地が限られているランニングではいちいち電信柱の臭いを嗅ぐために立ち止まっている暇はない。
忠実なシェパードにとって主人との距離が離れるのはストレス以外のなにものでもなく、
臭いを嗅ぎたい気持ちと主人と離れたくない気持ちが葛藤しているように見えた。
これらは幾つか解消されるものであったが、臭いは本能にあらがう行為なので新しいコースを開拓したときはとても忙しそうだった。
そんなある日フルマラソンを控えていた僕はハーフマラソンを走ることにした。
どうせならと思いえばしを連れてハーフマラソンに挑戦したのだが、これはお互いストレスのたまる結果となった。
市街地を通るのでリードは外せないため置いていくことができない。
電信柱の数が多く、その上間隔が狭いので頻繁に臭いを嗅ぐために立ち止まらなければならなかった。
リードを強く引けば仕方なし着いてくることもあるが、時折頑として動かず入念に臭いを嗅ぎたくなる電信柱が何本もあった。
ハーフマラソンは終わって見ればお互い不機嫌になり、帰りの車の中も家に帰ってもお互い話しかけようともしなかった。えばしは腹が減ってたので飯の時だけ近づいてきたが、飯を食ったらげっぷと屁を数回こいて縁側で1日中寝転がっていた。
シェパードにとって持久走と言うのは精神的な負担の大きいものであり、運動としてはあまりおすすめできない。
効率的で効果的な散歩法
前述したように長距離は互いに精神的に良いものでなく、その上多くの時間を浪費するので効率的ではない。
僕はふだんの散歩ではいかに効率的に満足させることができるかを突き詰めてきた。
その結果たどり着いたのが以下の3つである。
- 下り坂ボール
- ディスク
- ノック
下り坂ボール
この散歩法は3つの中で最もコスパが良い一方で立地に制限がある。
まず急な下り坂が必要であることと、リードを着けなくても大丈夫状況が必要だ。
僕は主に山の中や、ダムのそばでこの散歩法を行っていた。
この散歩法は30~60分で全盛期のシェパードを文字通り立てなくさせ、抱っこして車に乗せて帰るほどのハードトレーニングが可能である。
そしてこの散歩法最大の利点は主人は全く動かないで良いということ。
僕はえばしがなかなか戻ってこないので本を読みながら帰りを待っていたほどだった。
坂は急であれば急である方が良い。むしろ壁のような坂の方がおすすめだ。シェパードは飛び上がって後ろ足さえ壁にかかれば3角飛びのように壁を乗り越えてくる。片道50メートルの坂があれば往復100メートル。10回投げれば1キロ走ったことになる。
しかも4足歩行の犬にしてみれば垂直登攀みたいな坂、すぐに後ろ足が痙攣しだし坂を上れなくなりボールを咥えたままふもとで休憩をとるようになる。
この散歩をやっていれば犬の体力も把握できるようになる。
本当に疲れたら坂を上がって来られないし、何とか上がってきてもボールをこちらに渡さなくなる。
一定の距離を保ちボールをカミカミし、ボールを取ろうと近づくと距離を取るのだ。
だがこの行動が体力の限界と言うわけではないので、「ざけんなっ、うそついてんだろう!」と罵りボールを取り上げ再びボールを投げよう。
本当に体力の限界が来たらボールを取りに行かなくなるので、ボールを投げた後「これは見誤った!」と後悔するのだが、こうなったら絶対に取りに行かないので自分で坂を下り取りに行くしかない。
シェパードや大型犬、そのほか様々な種類の犬がいるが、犬を飼う時の判断基準として価格や性格と言った犬のデータに加え、自分の環境を判断基準にする事を勧める。犬を飼える環境にあるかではなく、自分が欲しい犬が自分の生活環境に適しているかである。
2ディスク
この散歩法は運動量というよりもストレス発散にとても良い散歩だと思う。また、一方的にボールを投げるだけの散歩よりコミュニケーションが取れるので是非取り入れてみてほしい。
この散歩法を取り入れてからえばしの顔つきは変わり、ディスクを通じて犬友達もでき飼い主共々幅広い交友関係を築くことができた。ちなみにディスクは独学ではなく訓練士の先生に教わった。
僕はしつけとディスクは別々の訓練士に教わった、何も全て同じ訓練士や訓練学校でなくとも良いと思っているし、その方が良かったので皆さんもいろいろな所を尋ねてみると良い、犬にも飼い主にも勉強になると思う。
ちなみに僕が使っていたのはHEROというメーカーのドッヂビーというソフトディスクだ。
フライングディスクと言われる人間が使うようなハードタイプもあるが、えばしもいぐしもガジガジとかみついてすぐに駄目にしてしまった。
おまけに奥歯付近の歯茎が出血してかわいそうだったので常にソフトディスクを使用していた。
しかしだからと言って長持ちするわけでもなく、ガジガジは相変わらずだったので2月に1回くらいは新品を購入していた。
さらに
3ノック
この散歩は開けた広い場所でリードを外せる環境が必要だ。
僕は砂浜やどでかいグランドの跡地などを利用していたが、田舎にでも住まなければこんな環境はなかなか無いだろう。
広い砂浜はあるかもしれないがシェパード2頭をリードなしで遊ばせられる所など消滅可能性都市くらいだと思う。
遊び方は簡単でただ思いっきりバットを振ってボールを遠くに飛ばすだけだ。
砂浜はボールが転がりにくいのでできるだけフライ気味に売った方が良い。
芝生や凹凸のある所ではあえてゴロを打つことでイレギュラーが起こり犬たちも楽しんでいるようだった。
これまで主人が楽をして犬を疲弊させる散歩法を紹介してきたが、ディスクとノックについてはある程度の技術がいる。
そして何とある程度の技術がないと犬たちはディスクもボールも取りにいかないのだ。
ディスクは地面と並行に投げなければ弧を描くようにして地面に落下する。ノックは的確にバットに当てることができなければ前に飛ばないことだってある。
そりゃ人だものたまには失敗するが、余りにも頻繁にしょうもないことを繰り返していると、何と犬たちはたまに勢いよく飛んだディスクやボールを取りにいかないのだ。そう、まるで「自分で取りにいけよ、このへたくそが」とでも言っているかのように。
これは紛れもない事実で、過去に空振りばかりする妻をあきれた眼差しで見つめ、偶然前に飛んだボールがバウンドするのを見届けた所で近くの貝殻をくわえて遊び始めたことがあった。
妻は「取りに行け」だのワーワー騒いでいたが、この習性を知っている僕からすれば騒ぐほど妻が滑稽に見え、犬たちも妻を相手にしていなかった。
家で一番の力持ちは散歩に行けるか
ここまでシェパードを疲弊させる散歩法を紹介してきたが、これらの散歩に共通するのは全て僕が散歩をしてきたと言うことだ。
えばしは老犬になるまで妻が1人で散歩をしたことはただの1度もない。
シェパードと一緒に暮らす上で最も重要な、「十分な散歩に行ける人物がいるか」という点だ。
シェパードの散歩は手のあいている人が誰でも行けるわけではない。
女性訓練士なんかはもちろん1人でできるのだろうけど、彼女たちは飽くまで調教のプロだ。
一般的にしつけられたとはいえ、いったいどれほどの人が全盛期のシェパードのオスを制することができるだろうか。
仮にメスでも相当の力があるし、体重の置き方では簡単に転ばされてリードを手放してしまう。
シェパードを飼う時の重要な判断基準はその犬が興奮した時に飼い主や飼い主の家族が素早く制する事が出来るかだ。それが出来る人なら散歩して良いし、出来ない人には散歩をさせない。誰もそれが出来ないなら訓練に出すことが出来ても飼うべきではない。
まとめ
僕はただの愛犬家で 訓練士ではない 。ブログを見て貰えれば犬に対する考え方や姿勢は見て捉える事が出来ると思うが、これらは全て我が家の経験に基づく判断である事を分かった上で参考にしてほしい
我が家ではえばしが7歳頃から体力や性格に目立った変化が起きた。いわゆる年ってやつで、とても丸くなった。これ以降は女性1人で散歩に行けるようにり、それまで散歩をする人は限られていた。
これからシェパードを飼おうと思っている家族がいたとして、お父さんは最低でも7年は転勤なんてできない。それぐらい一緒にいなければならないし、その間毎日のように上記の散歩をしてあげなければストレスが溜まっていく。
たまったストレスは自分で発散することはできない、自分でどうにかしたくても人間に依存する以外道がないのだ。そんな彼らに対し人ができることは、なでたり御飯をあげるのことではなく、全力で遊んであげることなのだ。このことを踏まえた上で再度検討してみて欲しい、もし難しいようであれば犬は飼わない方が良い、どうしても欲しいのなら小型犬にしておこう。