ジャーマンシェパードを初めて室内で飼おうと思う人へ
ジャーマンシェパードを初めて室内で飼おうと思う人が心配するのは、しつけや散歩、エサ代の事ではないだろうか?
色々期待と不安が交錯し悩んでいる人にシェパード歴13年素人の僕が思う事を記事にしてみた。
ジャーマンシェパードを飼う理由
ジャーマンシェパードは忠実
ジャーマンシェパードはとても忠実な犬だ。忠実とは務めあげるとか、違いなくやるという意味だが、 ジャーマンシェパード は自覚した自分の責務を全うする犬だ。シェパードにどのような責務を自覚させるかはとても重要だ。
ジャーマンシェパードは優しい
ジャーマンシェパードはとても優しくそうあるべき事を自覚している。
優しさは飼い主やその家族、つまり自分の仲間に対して極端に向けられるものなので、その様子を見ている人は嫉妬するだろう。
一途な愛が家族以外に向けられることはなく、またそうする事の必要性を感じていない。誰かに褒められる、誰かにちやほやされる事を望まず、飼い主やその家族、つまり自分が仲間と認めた輪の中でそうあれば良いと思っている。
この考えは他の影響を決して受けることなく、揺るがない決意とか信念のようなものである。
ジャーマンシェパードの性格具体例
警戒は基本スキル
ジャーマンシェパードに限らず犬は訓練によって多くの事を学ぶ事が出来る。だが犬の中にはその犬種や系統から産まれた時から備わっている能力がある。
ジャーマンシェパードの場合は警戒心だ。
この能力は自分を中心にある一定の方位・距離にセンサーを張り巡らせ、そこに侵入する何かを察知する能力だ。個体によって範囲や感度は異なれど、ジャーマンシェパードはこの能力に特化している。漫画ハンター×ハンターで言えば円能力だ。
多くの犬にもこの能力は備わっているが、範囲・感度・持続性においてかなり秀でている。
我が家はアウトドア派なので良くキャンプをする。当然えばしもいぐしも連れていくのだが、のんびりと海辺で過ごす僕らとは違い2頭は厳戒態勢だ。昼夜を問わず寝ないで警戒を張り巡らせ、常に警戒し続ける事が自分のやるべき事だと自覚している。
住み慣れた家ならある程度警戒も緩む。聞き慣れた物音やその方角から「いつものやつだ、取敢えず一回吠えとこう」で済む事が、あらゆる状況が変わり仲間の身にいついかなる危険が降りかかるか分からない状況での警戒を任されている。と、思っている。
なのでジャーマンシェパードを連れての外泊はあまりお勧めしない。どうしてもと言うのなら簡易自宅のようなものを子供の頃から馴染ませておいた方が良い。
ゲージやハウスと言った移動先にも持っていけるものだ。外泊してもこの中なら多少警戒心も緩み休むことが出来るだろう。
警戒と同時に我が身も守らねばならないので、その両立をする事はとても疲れてしまうのだ。
やる時はやる
これは当然の事だがジャーマンシェパードの基礎戦闘能力は高い。そして獣の本能か相手の弱気を察知すると一気に畳みかけて来る。
いぐしはこの行動が顕著に現れる。相手の性別や年齢ではなく自分に対する態度で対応が異なる。
我が家のお隣に老夫婦がいる。婆ちゃんはいぐしを見て物怖じせずに、むしろ「おいでおいで」と言ってミカンをあげたりする。一方爺ちゃんの方はいぐしを怖がっているため、いぐしは完全に爺ちゃんの事を舐めている。年齢や性別を問わず弱そうな相手に対して強気になるのはジャーマンシェパードに限らず犬や獣の特徴だと思う。(弱そうとは相手を恐れる心)
ところで、僕は狩猟をやるので野生の猪をロープで捕まえたりもする。
野生の獣と対峙する時、猪は捉われながらも必死に相手の心を挫こうとする。
怒気を漲らせ牙を鳴らし唸り、足で地面を蹴り上げ全力で突進してくる。
殺らなきゃ殺られるという状態になった獣は本当に恐ろしい。自分の手足が千切れる事など眼中にない。
人間にそんな事が出来るだろうか?そんな心を持っていて、実際に行動出来る人がどれほどいるだろうか。
獣の防衛や生存といった本能には一般人とこれ程の差がある。当然ジャーマンシェパードにもこの本能は備わっているが、同時にどの動物にも争わない事が得策という本能もある。逃走だ。
しかし前述の猪は罠によって逃走が図れなかった為、仕方なくやるしかないとなった。ではジャーマンシェパードはと言うと、罠で足をくくる必要はない。その変わりの足かせ、つまり何かしらの方法で自由を奪い、殺るしかないという精神状態に持っていけば指示とは違う本能の一面を出す事になるだろう。
恐らく逃げれない状況というのが一番簡単で、家庭で起こりやすい状況だろう。
ジャーマンシェパードを飼う時のランニングコスト
ご飯代
これはもうピンキリだ。家は結構安い方だと思う。猪肉や魚が定期的に手に入るので、ドライフードをベースにこういったものを混ぜ込んであげている。
魚は大きい場合一度お湯につけて煮込み、骨から身を外してフレークのようにしてあげている。鰯や鯵のような小型の魚の場合は内臓だけだしてそのままあげている。
お肉は猪で、昔は馬肉もあげていた。馬肉はえばしが子供の頃あげており、かなり食いつきが良かった。毛艶が良くなるとかって話だが、別にそんなのはどうでも良く、お腹いっぱい美味しそうにご飯を食べてくれるなら良かった。
猪は殆どいぐしにあげている。12歳を過ぎたえばしには少しだけしかあげていない。猪の食用肉は一頭から体重の4割程が取れるので、そのうちの7割は犬用として保存している。100㎏の猪なら肉は40㎏、いぐし用に30㎏弱保存するといった感じだ。30㎏のお肉は1日500g×2回(朝・晩)あげれば30日でなくなる。
近年増え続ける猪により猟期以外にも狩猟が可能になった。その為ハッキリって肉は余るほど取れる。友人の訓練士にあげているがなかなか会う機会が無いのでストックは増える一方なのだ。販売したいが許可が厳しく無料で譲る事しかできない。

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珠洲市で狩猟をする人用のグラフつくってみた。(個人実績)
その為猪肉がなくなるという事はないので、月々のエサ代は2頭分のドライフード10㎏で1,000円しかかからない。
訓練代
産まれて直ぐに通う訓練が最も重要だ。成犬になってからのジャーマンシェパードの訓練は無に等しく、効率と成果から言ってやる必要は全くない
なのでこれだけは言える、ジャーマンシェパードの訓練は必ず子犬の頃にするべきだ!
もしこれが出来る環境にないのなら、絶対にジャーマンシェパードは飼わない方が良い。
ただし多くの経験を経てしっかりと飼えるという自信があるのなら構わないと思う。あくまでもこの記事は初めてシェパードを室内で飼う事を考えている人用なので。
訓練代は5.6カ月で30万から40万を見た方が良い。また訓練所は多くの場合山間部など広大な敷地を要する場所に多い、訓練の過程で飼い主もそこに行かなければならないので、移動にもお金が掛かる事を理解しておこう。
また訓練が始まると最初の1~2カ月は会う事ができない。環境に慣れさすためなのだが、子犬で家に来てすくすくと成長していく愛犬を訓練に出すのはとても辛い、さらに1~2カ月会えないとなれば訓練に出す事を躊躇するかも知れない。最も可愛い時期を共に過ごせないという寂しさがあるだろう。
だがその先十数年一緒に暮らす事を考えればここは耐えて欲しい。くどい様だが絶対にこの時期に訓練に出した方が良い。訓練に出すだけの予算や余裕がないのなら、その時が来るまで待つのも悪くないだろう。
ジャーマンシェパードは訓練されていないと愛情を注ぐ事ができない。
最も重要なのは訓練に出す事だ。どんな性格の子であれこの過程を踏まえていれば先ず問題ない。訓練されたジャーマンシェパードを愛情をもって接すればその子は立派になり素晴らしいパートナーになる。
愛情は誰にでも注げるものではない、訓練されたジャーマンシェパードだからこそ愛情が注げると思ってほしい。
強くて賢くて、主君の為に尽くす事が生き甲斐であり、生きる意味として疑わない者に対して、無視がどれ程のダメージか想像しただけで悲しくなってしまう。暴力なんかよりもこの方がよっぽど死に値するだろう。
ジャーマンシェパードを初めて室内で飼おうと思う人への参考になれば幸いだ。