奥能登産天然わかめを貰ったら能登の気候から始まり連想が止まらなかった

 日本海に大きく突き出した能登半島の先端に位置する珠洲市は寒暖の季節風の影響を受けやすい場所と言える。冬になればシベリアからの冷たい風が北西風となって押し寄せ、波が高くなり風が強く吹き荒れる。

 僕が散歩に訪れる粟津海岸はこの季節風の影響を良い意味で受け、珠洲サーフィン大会と言う冬の名物イベントに貢献している。

 サーフィンに適している風は陸から海に向かって吹く風で、このコンディションをオフショア、逆に海から陸に向かって吹く風をオンショアと言い海面が乱れサーフィンには適さない。

 粟津海岸は北西の風をオフショアで受ける事が出来、かつ波が高くなりやすい環境なのだ。

 冬の季節風である北西の風。この風を中心に各地域の生活様式は異なる。
北西の風がオンショアとなる外浦は冬に海に出ることはほぼ不可能になり、波打ち際の海苔を取るのがやっとだ。

 一方北西の風がオフショアになる内浦では、豊富な魚種や単価の高い魚が採れる上に海が外浦程荒れないので、冬が漁業の最盛期を迎える。

 四季の移ろいを感じられる能登半島だが、風は2つに分けられその条件の中で何をして過ごすかという事になる。
  季節・風向・波高・気温・水温・外浦・内浦の7個のキーワードで遊び方が変わり、魚突きやダイビングという水中の遊びもする僕はこれに潮(潮流や干満)が加わり8個となる。そして最後に狩猟が加わり、猟期・積雪の2個を足して合計10個の判断材料を掛け合わせて色々な判断をする。

この式を前提に後は自分の出来る事・やりたい事・出来る環境が一致すればその日は楽しいし素晴らしい経験が出来るはずだ。

 例えばこれからサーフィンを始めたいと思っている人がいるとする。上記のようにサーフィンには安定した波とオフショアの風が必要だ。となれば始めるのは冬となり、冬の平均気温1度~8度と平均水温12度に備えた装備が必要になる。北西の風が吹けばオンショアとなる外浦はだめなので、オフショアとなる粟津海岸や三崎地区がホームとなる。

 カヤックを始めたいと思ったら?初期投資は少なく、それでいて楽しい方が良いので始めるなら夏だ。波が低くとも風の当たる面積が多いカヤックはなるべく風の弱い、若しくは当たらない環境を選んだ方が良い。さらに万が一漂流しても風によって陸に戻れる場所が良いだろう。オフショアの風でもその先に陸がある場所で始めるか、九十九湾のような場所で始めるのが良いだろう。

 と、まぁこんな風に色々な条件を考慮した上で何をして遊ぶかを考えている。面倒臭いと思うだろうが安全に遊ぶ事が重要であるという考えの結果なのだ。

能登には何もないと言うが、僕は季節を問わず毎日楽しく過ごしている。環境が問題ではなく環境をどう捉え自分が変われるかが重要であり、能登には素晴らしいフィールドがある。

ただ、ここには学びの場が少ないのは事実。情報が簡単に手に入り、機材も安く簡単に手に入るようになった今の時代、生の先生がいなくても何でも始められる。
しかし生きた学びはとても重要だ、これから何かレジャーを始めようとするのならば、必ずショップや友人を訪ね、様々な学びを得る事をお勧めする。

あ、これは貰ったわかめ。能登ではわかめをしゃぶしゃぶにする。